Kiss or Kiss
「実は、俺も高卒なんです」

俺がそう言った瞬間、堺は大きな目をさらに大きく見開いた。

「マジで高卒なの!?」

彼女のデカい声が廊下に響いた。

つーか、“高卒”の部分を強調すんなよ…。

気にしてんだから…。

「よかった、仲間がいて!

あたしの周りは大卒の先輩ばっかりで、不安で不安で」

俺をほったらかしにして、堺は1人でペラペラとしゃべり出した。

こいつ、相手いなくても1人でおしゃべりできるな。

俺が感じた彼女の第一印象である。

まあ、結果的には俺1人じゃなくてよかった。

よくよく探して見ると、高卒って案外いるもんなんだな。
< 5 / 15 >

この作品をシェア

pagetop