嘘つきな背中に噛み痕をアゲル。
「私、ずっと貴方が好きだったのよ。そんな奴、きっとゴロゴロいたんじゃないかしら」
「でも、私は貴方、知らないので」
中学も高校も別だったはず。
なのにずっと好きだったなんで、説得力が無さ過ぎる。
「いいえ。貴方は私を知らないんじゃない。――知ろうとしなかったのよ」
一瞬、こいつ何言ってるんだと眉をしかめたけど、
オカマ坊主がサングラスをずらして見せた眼は、酷く寂しげな子供の様な眼だった。
私は、この眼を見たことがあった。
晴の中でも、幹太の背中でも。
「桔梗さん! 塩です。ありました」
「あら。坊主に塩なんて蒔くの?」
クスクスとすぐに表情を隠して笑ってしまったけれど、こいつきっと演技だ。
わざとバカみたいなオカマの演技をして、私を油断させて近づいてきている。
こいつ、私を好きだとか嘘を言って。
一体、何が目的か分からない。意味は分からなくて、――不気味だ。
「桔梗さん?」
首を傾げる美麗ちゃんに悪いけれど、塩を蒔く気分にはならなくて。
早く、早く、目の前から消し去りたくて、気持ち悪かった。
「でも、私は貴方、知らないので」
中学も高校も別だったはず。
なのにずっと好きだったなんで、説得力が無さ過ぎる。
「いいえ。貴方は私を知らないんじゃない。――知ろうとしなかったのよ」
一瞬、こいつ何言ってるんだと眉をしかめたけど、
オカマ坊主がサングラスをずらして見せた眼は、酷く寂しげな子供の様な眼だった。
私は、この眼を見たことがあった。
晴の中でも、幹太の背中でも。
「桔梗さん! 塩です。ありました」
「あら。坊主に塩なんて蒔くの?」
クスクスとすぐに表情を隠して笑ってしまったけれど、こいつきっと演技だ。
わざとバカみたいなオカマの演技をして、私を油断させて近づいてきている。
こいつ、私を好きだとか嘘を言って。
一体、何が目的か分からない。意味は分からなくて、――不気味だ。
「桔梗さん?」
首を傾げる美麗ちゃんに悪いけれど、塩を蒔く気分にはならなくて。
早く、早く、目の前から消し去りたくて、気持ち悪かった。