嘘つきな背中に噛み痕をアゲル。

「じゃあ。いつも御贔屓ありがとうございます。失礼するね」
「こちらこそ、ありがとうございました」
深々と頭を下げられてら、どちらが客かわからなくなる。
美鈴ちゃんは、カランカランと下駄の音を弾ませて裏口から入って行った。

きっと真っ先に幹太へ話しかけるんだと思う。
いい加減、気づいて絆されてしまえばいいのに。幹太なんて。

幹太にもおじさんおばさんにも、美鈴ちゃんは甘えるのが上手で可愛い子だけど、私とは関わりが少ない。
幹太へ駆けて行くんだから、私みたいな用事がない人なんて挨拶するぐらいしか興味もないんだろうけど。

ちょっとだけ距離を感じて寂しかったりして、ね

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