嘘つきな背中に噛み痕をアゲル。

「またお越し下さいませ」

深々と頭を下げた後、向かって二つ隣にできたスムージー屋に視線を移す。
90種類の野菜と果物の中から好きなのを選んで作ってくれるし、メニューからも選べる。
やっぱ泣き過ぎて目の回りが若干引きつる感じだから、目に良い野菜やフルーツで作って貰おうかな。
エプロンが可愛くて、速攻で話しかけたので私より二つ下の店員さんとも仲良しだし。
向こうも私が見ているのに気づいて、手を振ってくれた。

丁度エレベータが開いて何人か年配の方が降りて来たけど、こっちを気にしているような様子は無かったので、店員さんに手を振る。

「なんか目が霞むから、目に良いスムージーを後で頼むね」
「あはは。久しぶりに来たと思ったら、売上の貢献ありがとうございまーす」

ふんわりした猫っ毛のピンクのルージュとネイルが可愛い子。
私は晴が居るからネイルに手が出せないから、ついついオシャレに目がいってしまう。

「ちょっと、お客に気付かずに、店員同士で会話って非常識じゃないかしら?」

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