英雄の天意~枝葉末節の理~
 これ以上引き延ばせば彼は両親を恫喝しかねない。

 それほどに強い意思が感じられた。

 ナシェリオが言い返せない言葉を見つけたためか、ラーファンはすでに決意を固めている。

 もうだめなのか?

 君を説き伏せる事は私には適わないのか。

「……わかった。その代わり、無理だと思ったらすぐに引き返す。それだけは約束してくれ」

「ああ、もちろんだ!」

 ようやくの承諾に喜びでナシェリオを抱きしめる。

 ナシェリオは喜ぶ友の姿に笑みを浮かべるが、先の事を考えると愁思でしかなかった。




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