センチメンタル・スウィングス
それが寂しいと思わないし、嬉しいとも思わない。
ホント・・・私にとっては、特に何も思わないくらいの存在に、学さんはなっていた。

「なんかねー。よかったよ。お互いふっ切れて」
「・・・もう何年も前の話だし」

その間、先生からは助かると言われたものの、死を垣間見た私はまだ生きていて、学さんは、私じゃない奥さんを見つけて、子どもが生まれる。
永遠の愛を誓うはずだった私たちは、結局別々の道を歩むことが、お互い最善だったんだ。

ニコッと笑った私と須賀さんが、「乾杯」と言ったのは同時だった。

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