センチメンタル・スウィングス
「それと、外に出ている時は、女性であることを、ちょっとだけ意識してみるのもいいかもしれません。例えば、きちんとアイロンをかけてあるハンカチを持ち歩く。できれば、幼いキャラクターものより、シンプルな柄の方がいいです。それから、口紅やグロスをつけることもおススメです。初対面で会話をするときって、相手の目を見るのは恥ずかしいと思う方が大半です」と私が言うと、横田さんはウンウンと頷いた。

「となると、視線が口元あたりに行くんですね。なので、どうせ見られるのなら、カサカサに乾いている唇よりも、みずみずしく、潤いがあって、血色の良い唇を見せたほうがいいと思いませんか?」
「あぁホント、そうですねー」
「そういう風に意識を持って行くと、普段から唇をケアしようと思えるし、食事の後でリップを塗り直そうと思うようになるんです。だから私は、マスカラやマツエクを上手につけるより、唇だけ浮かない、ごく自然に見える口紅を塗る方が、より簡単に女性らしさを演出できると思うんです。ってこれは私の持論ですけどね」

と私は言いながら、「そういえば、和泉所長の唇も、いつも潤ってる」なんて考えてしまった・・・。

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