センチメンタル・スウィングス
このピアスは、学さんと結婚することを意識し始めた頃買った。
その頃の私は、仕事は順調、結婚を考えてる彼もいることから、やっと大人の女性になれたと思った。
その記念に、ピアスをつけようと思って・・・。

「じゃあ俺がプレゼントするから、二人で選ぼう」って、学さんは言ってくれて。
デパートの宝石売場で、学さんと二人、額を寄せ合ってどれにするか決めたことは、あれから7年経った今でも、楽しかった思い出として鮮明に覚えてる。

そこでは、何の変哲もない、小さな丸いゴールドのピアスを選んで。
「プレゼントとしてもらうのは、意味がないから」と私は言って、結局半額ずつ出し合って買ったんだよね。

でも病気が発覚して・・・ピアスは止めた。
そして学さんと別れて、ピアスの片方だけ捨てた。

< 47 / 150 >

この作品をシェア

pagetop