センチメンタル・スウィングス
けど明日は私休みだし・・・所長もだけど。
とりあえず、もうスマホ出しちゃったし。
電話だけはしておこう。
第一、所長が電話に出られる状況なのかどうかも分かんないんだし。

という私の予想は、どうやら当たりのようだ。
4回コールでも所長は電話に出ない。
「檀上です」だけでも留守電メッセに残しておこうかと思ったそのとき、「はーい!」という、和泉所長の元気なドヤ声が聞こえた。

その叫び声に、私は一瞬だけ、耳からスマホを離した。

「もしもーし!檀上ー?」
「あ・・はい」
「うるさくて聞っこえねえなー。ごめん、静かな場所に移動するから、ちょっとタンマー」

「タンマ」って・・・久しぶりに聞いた。
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