君の隣しかいらない
転校初日
「ふぁぁ…」
カーテンを開ける。今日は転校初日だ。遅刻する訳にいかない。と思い服を着替えリビングへと続く階段を降りる。リビングのドアを開けるとお母さん特製の甘いスクランブルエッグの匂いが私のお腹を鳴らした。
「朝ごはんできてるわよ。雪。」
お母さんが優しい声で言う。私は春北 雪(ハルキタ ユキ)
中学1年生。今日は転校初日だ。不安とイケメンがいるかな♪なんて軽い気持ちも持ち合わせてウキウキ気分でいる。
そうこう自己紹介してる間に時間は過ぎてしまう。
テーブルに着き、お母さん特製のスクランブルエッグとウインナーとトマトや色とりどりの野菜のサラダを食べる。
やっぱ美味しい〜♡と頰に片手を当てて朝食をゆっくり味わう
「幸せそうね。雪がそんな幸せそうな顔してくれるからお母さん頑張っちゃう!」
お母さんの優しい笑顔が私の心をあったかくした。

朝ごはんを食べ終わると洗面台へと向かった。転校生はなにより第一印象が大事。清潔であること。これは誰にでも当てはまる条件だと思う。そう思いながら歯磨きをし、顔を洗い髪の毛を後ろで一つにくくった。鏡の前でニコッと笑ってみせる。自分でも自慢の白い綺麗な歯並びが見える。私は自分で言うのもなんだけど可愛い部類に入ると思う。ぱっちりした目、小さく少し高い鼻、色っぽさを思わせるぷっくりした唇。昔はたらこ唇と馬鹿にされたものの、今はそのぷっくりした分厚い唇もチャームポイントの一つだ。
両親も美人でお母さんは女優をしていた。お父さんはこの世にはもういないけれどとっても私からしたらカッコよかった

「さてと、学校に行くか!」
と鏡の中の自分に言い家を出る。
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