らぶ・すいっち
やっと離された順平先生の唇は、どこか名残おしそうに見えるのは私の気のせいだろうか。
順平先生はゆっくりと私の髪を手で梳いたあと、私の背に手を添えて起き上がらせてくれた。
「こんなところでがっついてしまうとは……私は飢えていたのかもしれませんね」
「せ、先生!?」
「さあ、私の部屋へ行きましょう」
「きゃっ!」
順平先生にお姫様だっこをされ、二階へと続く階段を上っていく。
その間も、「やっぱり我慢できない」と呟き、私を唇で翻弄する。
先生のその表情はとてもセクシーで、私こそ我慢できなくなりそうだ。
「さて、須藤さん」
「は、はいっ!」
「今日、私は貴女に言いましたよね?」
「へ?」
何か言われただろうか。刺激的かつ情熱的なことばかり言われて、どれのことを順平先生が言っているのかわからない。
ギュッと順平先生にしがみつくと、先生は妖艶な笑みを唇に浮かべた。
「しっかり今日は勉強をしましょうね、と」
「あ……」
そういえば講演会会場の駐車場で、順平先生はそんなことを確かに言っていた。
それも色々とね、などと意味深なことを……言っていたような気がする。
私の顔を確認し、順平先生の言葉の意味をしっかりと思い出したのがわかったのだろう。
順平先生は部屋の扉を開きながら、私のこめかみにキスをした。
「須藤さん。今夜は私のことをしっかり覚えてくださいね」
「えっと、その……」
口ごもる私に、順平先生はフッと艶っぽく笑った。
「そして、私にも教えてください……君のすべてを」
私を抱き上げたまま部屋に入り、「個人レッスンですよ」と言いながら順平先生は扉を閉めた。