らぶ・すいっち



 
(私もう……立っていられないかも)


 キスだけで、こんなに感じてしまうものなのだろうか。

 膝は震えて限界を迎えようとしている。その場に崩れてしまうのも時間の問題だろう。
 そのまま順平先生に力なく身体を預けてしまおうかと思うほどだ。

 やっと離された唇にホッとするはずが、どこかでもっと欲しいと望んでいる自分がいて愕然としてしまった。

 ここのところ男性と付き合うこともなく、こういった甘い刺激とはご無沙汰だったとはいえ、その考えはいかがなものか。
 呆然とする私の唇を、順平先生はもう一度指でなぞる。


「ねぇ、どうですか?」

「ど、ど、どう……とは?」


 色っぽすぎる流し目に、私はドキマギとしてしまい返事もどもってしまう。

 クスッと声を出して笑う順平先生は、魅惑的でドキドキしてしまうほどかっこよかった。
 キレイな人が笑うだけで、どうしてこうも威力があるのだろう。

 順平先生を見つめるだけしかできない私の目尻に、先生はチュッと音を立てて唇を押し当てた。


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