Destiny



「ほ、ほんとにいいでっ…」

「甘め?辛め?」

「へっ?」

「好み」

「の、ノンアルコールの甘いの…」

「そ、りょーかい」


つい、と顔を背け酒を作り始めるキョウ。

何だか流されてしまったと、
嬉しさ半分申し訳なさ半分でカウンターの席に座る。

この前はスーツ姿で繁華街にいたのに、
どうして今はバーテン服でバーにいるのか。

あの時のことを覚えているのか。

色々聞きたいことを頭に巡らせながら、
慣れた手つきのキョウを眺める。


「はい、どーぞ」

「あっ、ありがとうございます…!

わあ、綺麗な色…これ、ジュース?」

「んー、まあ。シンデレラってやつ。

フルーツジュースだとでも思えばいいと思う」

「いただきます!」



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