ハンバーガーと私とガールズラブ
「私がエリとケンカしたのも、バンドに必要ないって言われたのも、穂波ちゃんのせいなんでしょ!」


「そ、そんな。違い、ます。」


 穂波ちゃんは顔を歪ませて、ついに地面に膝をつけて泣き出した。


「知らないです。石段の、隠れられる場所なんて。」


「し、しらばっくれて!」


 私は穂波ちゃんに掴みかかった。


「正志を突き落としたのも、穂波ちゃんなんでしょ!」


「……突き落とされた?」


「しらばっくれるなって言ってるの!」


 私は穂波ちゃんの小さな身体を突き飛ばした。


「痛っ!」


 穂波ちゃんは簡単に転がる。


 カッターなんて、必要なかった。


 脅すのには役に立ったけど。それでも刃物なんて危ないもの持つ必要も無かった。


 こいつ、丸腰の私でも簡単にやっつけられる。
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