ハンバーガーと私とガールズラブ
 放課後。


 面会時間があんまり残ってなかったけど、病室に向かった。


「高田か。も、もしかして、俺に、お見舞いに来てくれた?」


 荒井のバカが笑顔を見せてる。


 弟は、トイレかな。いない。


「違うよ、バカ」


 私は荒井にそう話しかける。


「まぁ、分かってるけどさ。でも、こうやって普通に話せるだけで、良かったよ。もう、二度と話しかけてもらえないかと思ったから」


「……そう言えばそうだった。じゃあ、もう話さない」


「ちょ! そう言うなよ!」


 荒井は前みたいなお調子者の荒井に戻ってる。


「そう言えば、高田。夕月穂波のこと、どうした?」


「……穂波ちゃんとは、もう、会わないことにした」


「そっか。やっぱり犯人だったのか?」


 荒井が神妙な顔つきになっている。
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