ハンバーガーと私とガールズラブ
「おい。怪しいって、それだけかよ。それに聞いてもしらばっくれるって。もしやってなかったら、やってないって言うしかないだろ……」


「え、あ、う、うん」


 穂波ちゃんが、犯人、だったと、思ってたけど。


 え? なんで?


「……好きな奴に、信じてもらえないって辛いんだぜ」


 私の頭に衝撃が走った。


 そうだよ。


 もし、穂波ちゃんが何も。


 本当に何も知らないで、何も関係なくて、私にあんなこと言われたら。


 私に拒絶された荒井みたいに悲しいはずだ。


 エリに拒絶された私みたいに。


 バンドをクビになった時の私みたいに……


「あ、ああ……!」


 取り返しのつかないことをしてしまった気がする。
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