ハンバーガーと私とガールズラブ
 私は「ほわわわわ」なんて言いながら後ずさり、ドキドキとしながら穂波ちゃんを見た。


 穂波ちゃんはきょとんとした顔で私を見てる。


「ご、ごめんなさい。いきなり声かけて。あの、先輩、お昼ご飯、食べないんですか?」


 ああ、なんと言うことだ。


 今この子と会うのはいろんな意味でピンチな気がする。


 まだ手紙の返事も考えてない。


 実を言うと、どうやって傷つけないように断ろうかと、昨日はずっとそればっかり考えていた。


 そもそも私は今、空腹なのだ。


 腹ペコなのだ。


 何も考えられないのだ。


「う、うん、ちょっといつも一緒に食べてる友達がいないみたいでさ~ なんだか食券を買う気なくなっちゃって」


 うぐぐ、我ながら何を言っているのか意味不明な言い訳をしてしまった。


「あの、もし良かったらなんですけど、私と、お昼ご飯食べてくれませんか? 実は、私も一人で……」


 ん?


「一人でご飯食べたくないんです」


 そ、そう来たか。


 うーむ、どうしよう。


 なんだか、なんだかこの展開は非常に良くない気がする。
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