ハンバーガーと私とガールズラブ
             ☆


 頑張ろうなんて、気持ちを切り替えてみたものの、やっぱり学校に行くのは怖かった。


 私のことを嫌ってしまったエリと顔を合わせるのが辛い。


 私は制服に着替えた体で、学校の支度をした鞄を持って、玄関を出た。


 歩いても全然間に合う時間だ。


 朝ごはんも、少し吐きそうになったけど頑張って食べた。


 我ながら私も繊細な心を持っていたんだなと、少しだけ思う。


 今も一歩を踏み出すのが、とても怖い。


 と、そんなことを玄関先で思っていたその瞬間。


「先輩。」


「え?」と顔を上げた視線の先に、なんと穂波ちゃんがいた。


「なんで、ここに?」


「なんとなく、心配で、来ちゃいました。」


 穂波ちゃんの顔が赤い。


「うん、ありがとう。」


 私は自然な笑顔で応えられた。


 って言うか、穂波ちゃん、なんで私の家、知ってるんだろ。とは当然思ったが気にしないことにした。


 なんてったって、私の好きなお弁当のおかずを知っているくらいだ。


「先輩、大丈夫ですか?」


 穂波ちゃんはそう言って私の顔を覗き込む。


「昨日、聞いたてたんです。先輩が、エリ先輩とケンカしてたの。その後、米川神社の石段の下で泣いてるみたいだったけど、その時は近寄れなくって……」
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