ハンバーガーと私とガールズラブ
 もう限界だった。


 私は目を閉じると、寝ることにした。


 何も考えたくない。


 無心に、ひたすら無心に。


 幸い、6時間目は、教科書を読むだけが授業だと思ってる、あのおじいちゃん先生の授業だ。


 定年一歩前の田中先生。


 生徒からの評判も、他の先生からの評判も良くない先生だけれど、今回ばかりは助かる。


 私はひたすら時間が過ぎるのを待った。


 待ち続けた。


 でも、待とうと思えば思うほど、時間の流れはゆっくりで、私はまた挫けそうになった。


 なんだか知らないけど、穂波ちゃんに会いたくなった。


 なんだか、穂波ちゃんといる時だけ、辛いとか、悲しいとかそう言うこと感じないですんでた気がする。


 だけど、制服がないままでは帰れないし、こんな姿じゃまた穂波ちゃんに心配かけちゃうので、なんとしても探さないと。


 それもすぐに。


 とは言っても、もし隠されたのなら、場所は大体思いつく。


 どこかに隠しに行くとか、そんな時間は無かったはずだ。


 多分だけど。
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