ハンバーガーと私とガールズラブ
「どう言う、意味ですか?」


「荒井が……石段から落ちて怪我した人が、足を誰かに引っ掛けられた気がしたって、言ってたの。」


 穂波ちゃんは首をかしげている。


「荒井が落ちたって位置の右の方に、人が隠れられる場所があるの。」


「な、何が言いたいんですか?」


 私は目をつぶって、首を振る。


「穂波ちゃん、が、あ、荒井を、待ち伏せして、そえで、せ、そ、おと……」


 口の中がカラカラで、言葉が上手く出てこない。


「先輩、落ち着いてくさい、ゆっくり、落ち着いて、ちゃんと、話、聞くから。」


 穂波ちゃんが、突然、私に向かって近づいてきた。


「ち、近づくなぁッ!」


 気がつくと、私はポケットからカッターナイフを取り出していた。
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