相合傘

いつもこのこの言葉に騙されてばっかりや。

いつもそう言ってどこも行けへんやん。

「…もうええわ」

そう言ってあたしは立ち上がって
玄関の方へ向かった

「オイ、どこ行くねんっ?」

後ろから章平が走ってくる。

「どこでもええやん。放っといてや!!」

あたしはそう言うと
靴を履いた。

「…あたしらしばらく距離おこうや」

そう言って家を飛び出した。

…もう無理。

…もう我慢できへん。

何やねん。あの態度。

ムカつく…ムカつく。

いつも思ってんのあたしばっかりや。


足が早足になる。
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