紙飛行機にのせて…
「あ、ちょうど良かったです。」

「あらぁ?どうかしたの?」


あの写真を見せた。

琴美にも見せたかったが、なんとはなし、見せなかった。

「あら、懐かしいわね。この時の病気は都月先生と奥さんが手術して…あら?琴美ちゃんいくつだったかしら?

私は、他の人を担当してたから…

詳しいことは…ごめんなさい。裏に、書いてない?」


「いえ、何も…」


「そう…あ、それじゃ。そうだ…私と、奥さん…君のお母さんと友達だったの〜。だからね、
知っているには、知ってたけど…

うーん、言えない事もあったかもしれないわねぇ。」

「そう、ですか…」
ちょっぴし、ショックを受けた。



会釈して、紗子さんは踵を返した。
慎也は、階段を降りて真っ直ぐに出口へ行き、病院を去った…

ふと思った。
写真には、慎也と琴美だけ…

詠一は、幼馴染と言っていたが写っていないことに…

たまたまかもしれないが…



——————…

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