紙飛行機にのせて…

会いにいくと…

「琴美。」
琴美の病室の扉をスライドさせる。


「…あれ?いない。」
慎也は、辺りを見回した。



(せっかく、サボってまで来たのに…)
車椅子がなかった。


「琴美ちゃんなら、中庭じゃない?」
1人の女性が入ってきた。

「えーと…どちら様でしたっけ?」

慎也は、病院で働いている人は全員記憶しているとは言えない。

ものの、三分の一程度しか覚えていないのだ。


「えー?ま、良いけどぉ。佐々木美稀。よろしくねぇ♪ちなみにぃ、紗子と同期よぉ♪」


「は、はぁ…」

「あ!シーツ変えな、きゃぁ!」


ドテーン!
美稀が豪快に転んだ。

「だ、大丈夫ですか?」

「あはは…あー!シーツがぁ!」

「…」
呆気に取られていると、


「あら、慎也君と…美稀?」

車椅子に乗った琴美をおしている、紗子が来た。

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