紙飛行機にのせて…
「琴美。」
慎也は、琴美を呼んだ。

が、琴美はうつむいていた。
「琴美?」

「…」
ホワイトボードを突き出して来た。


「“声が出ない”?」

『ホワイトボードと一式は、政人医院長せんせから、もらったにゃ♪』


「僕の所為…なのかな。」

慎也がそう言うと、
琴美は、首をブンブン降った。



『突然、なっただけだにゃ。慎也君の所為じゃないにゃ!自分を責めないでだにゃ☆』


「…そ。ん?琴美…立てたっけ?」

琴美が、立っていた。

「あら?聞いてない?最近、立てるようになったのよ。

あの事件?が起きて、目が覚めて、ちょびっとした時に、立てるようになったのよ。」


怒りたいが、
琴美だから、怒る気にはならなかった。

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