紙飛行機にのせて…
「あれ?静也君!」
そう、五十嵐詠一だ。


「あら?知り合い?慎也君。」


「いーえ!全然!」
片手を横に振った。


「あー、すいませんが、僕はこれで…」

誤魔化すかのようにそそくさと後ろに下がり、体を回転させ、走った。


「あ、琴美ちゃんのとこ、時間があるなら来てね〜」

紗子がそう言ったのを、無視して…


———

玄関の鍵を開けた。

「はぁ〜。」
ピシャリと閉める。


(五十嵐詠一…花戸琴美と知り合い?)

会うことはないと、思っていた。
大学の見学以降…

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