紙飛行機にのせて…

イベント〜夏〜

「にいちゃん!やって〜♪」

「仕方ないな…」

慎也は、今…病院にいる。


「たく…なんでこんなこと…」
何故いるかは、病院のイベント。


年に2度、あるのだ。
夏休みと冬休みの時期に…

慎也の父が設けたイベントで、必ず慎也がいないと出来ないと言う。



それは…

紙飛行機,折り鶴又は、手紙をつけた風船を屋上から飛ばす。

けど、風船を飛ばす場合、中庭からでもOK。

因みに、メッセージつき。


それで、慎也が必要なのだと言う…

(ただでさえ、今年は受験生で忙しいのに…最悪。)

慎也はそう思った。


その反面、

(まぁ、小さい子は…出来ない子も…いるだろうから…別にいっか。そこらへんは…)
こうも思った。


「はい、出来たよ。」

「あ、メッセージ書くの忘れてた!」

折った紙飛行機を、広げて子供に渡した。


「はい。絵でも良いんだからね。」

「あい!」

字を書くことが出来ない子は、絵を描く。



「慎也くーん、こっち来てくれる〜?」

「はーい。」

声がかかった場所に向かう。


(とっとと、終わらせたいな…)

このイベントは、父さんがほぼ仕切ることになっているが、医院長の為、

慎也が殆ど仕切ることになっている。
跡継ぎの慎也が…


***

「出来た人は、屋上から…と、言いたいけど…風が強くて危ないから、

風船だけを此処で飛ばすことになったからね〜」
一人のナースが言った。

「そうですか。」


「風船…せーので?」
慎也がしきった。

「えぇ、そうしてくれる?」

「分かりました。皆、連絡を聞いたと思うので…」

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