彼女と彼岸花
距離

初出勤から早いこともう2週間が経っていた。

前職と職種が同じこともあって仕事には慣れてきた。

先輩たちとも仲良くなって、来週歓迎会をしてくれるらしい。

今日もまーさんの家から出勤。

大学とバイトが休みだったまーさんはバイクで駅まで送ってくれた。

駅のホームに行くと佐野さんがイヤホンをしながら音楽を聴いていた。

「おう、八神!おはよ」

「おはようございますー」

私を見つけた佐野さんはイヤホンを外してニコッと笑いかけてくれた。

「眠いわー。帰りたい。」

「相変わらずやる気無いですねー」

「俺、常にやる気ないからな」

そんな話をしながら出勤して
いつものように仕事をこなす。

やっぱりここの職場の人たちはすごくいい人が多い。

「お疲れ様ー」

仕事も終わって喫煙所に行くと
いつものメンバーの先輩たち。

最初は私が煙草を吸っていることに先輩たちは驚いていたけど、もう慣れてくれたみたい。

そんなに私幼いかな?

「八神ー。来週の水曜仕事終わってから歓迎会だからなー。」

橘先輩からいきなり話をふられて少しびっくりする。

橘先輩も私と佐野さんと同じ帰り方面でよく一緒に帰るから、一応親しい先輩ではある。

一番長く働いている先輩だけど気さくな人なのですぐ話せるようになった。

「八神ちゃんってお酒飲めるのー?」

次は吉川先輩が話題に入ってきた。

吉川先輩は店のムードメーカー的存在。
いつも明るいけど私は少し苦手なのです。笑

誰とでも話すけど、なんとなく考えが読み取れないから苦手。

「普通ですかねー?潰れたことはそんなにないですけど…」

「潰れても橘さん送っていくでしょ笑」

「は、俺やだよめんどくせー!」

佐野さんが橘さんに俺もおねがいしますなんて言うもんだから、橘さんは絶対嫌だ!って言い残して喫煙所から去っていった。

私も着替えるために喫煙所を後にした。
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