彼女と彼岸花

「おつかれさまでしたー!」

初仕事も無事に終わり、着替えて喫煙所でぷかぷか煙草を吸っていた。

「お前タバコ吸うんだな。」

声をかけてきたのは佐野さん。

「お疲れ様です。吸いますよー。吸うように見えません?笑」

「見えない。お前家どこなの?」

「○○駅で乗り換えて2つ先の駅ですねー」

「へー、俺○○駅最寄りだから一緒に帰るぞー。ここ店長の方針で女子は一人で返さないんだわー。」

「そうなんですかー。ならもう一本吸ってからでもいいですか?」

「いいぞー。」

その後は店長にひたすら気をつけるんだよっと言われながら店を後にした。

「八神って前何してたの?」

駅で電車を待っていたら佐野さんが携帯をいじりながら話しかけてきた。

「前も同じような仕事三年間してましたよ。」

「だから仕事できんだな。」

「そんなことないですよー。結構適当です。笑」

「店長聞いたら泣くぞー」

「えー。あ、佐野さんって実家どこですか?」

「俺?北海道だよ。」

「あー!やっぱり!私もなんですよ!」

「へー、なんでわかったの?」

「なまりですね。笑」

そんな会話をしながら電車に乗って、佐野さんとは乗換駅で別れた。

ほんとは乗換しないんだけどね。
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