3日限りのルームシェア
「知香ちゃんの作った料理が食べれるなんて思ってなかったから
びっくりしちゃって。本当にいいの?」
ええええ?
なんか樹さんの今までのイメージが崩れてきてるんですが・・・・
「私なんかの料理でよければ・・・・ははは」
いまいち樹のテンポについていけず知香は苦笑いを繰り返した。

それからバスルームやトイレの場所等々を一通り説明し終えると
樹は荷物の整理のため部屋に戻った。
知香は、リビングのソファーに倒れ込むように横になった。
「たった3日だと思ったけど・・・3日も、もつかな・・・」
深くため息をつくと身体を反転させ仰向けになり天井を見つめる。
知香の知っている樹はあんなにやさしさ全開なタイプではなかった。

樹の横には常に綺麗な女の人がいて
当時高校生だった知香には、樹たちの姿がものすごく大人に見えた。
だから久しぶりに会う樹はきっとあの頃よりも、もっと大人の男になってると思ってた。
だから知香は警戒心いっぱいでこの日を迎えたのに・・・・

あのやさしい笑顔は何なんだ?

一体海外赴任で何があったんだ?
考えても答えが出ないのはわかっていても気になる・・・
しかし・・・3日間どうしようかと悩んでいると
LINEの着信音がなった。
相手はもちろん梓だ
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