3日限りのルームシェア
ドキドキを悟られまいと知香は缶ビールを飲み
「こ・・ここからがおもしろいんですよね。トレーラーに乗って・・・・」
知香は映画の見どころを一生懸命話しながら
ドキドキよ早く治まれ!と心の中で叫んだ

それから
知香と樹は会話もそこそこに視線をテレビに向けた。

「フ~~。すっきりした。やっぱりこの映画、おもしろいで・・・す・・・ね?」
エンドロールが流れ始めると知香は樹に話しかけるが
樹はいつの間にか眠っていた。
「・・・・・寝ちゃってる」
知香はぼそっとつぶやくと樹の寝顔をまじまじと見つめた。
長いまつげにすっと伸びた鼻、薄いけど形の綺麗な唇
「・・・・悔しいくらいに綺麗」知香のつぶやきは止まらない。
セットされてない自然な髪型もなんだかかわいらしく思えた。
「・・・って・・なに私・・・樹さんを観察してんのよ」

寝顔まで綺麗な樹を知香は吸い込まれるように見ていた。
どうしてだろう・・・・すごく触りたい衝動に駆られる。
知香の手がゆっくりと樹に近づく
知香の鼓動はドクドクと身体の中で響いてる。
そして知香の手が樹の髪の毛に触れる。
・・・・柔らかくて気持ちがいい。
洗ってから何もつけていない様でほわほわしている。
その手が頬に触れる・・・・自分でも何でこんなことをしているのか
わからない。
さっきまで飲んでいたビールのせい?
それとも単なる好奇心?
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