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樹は意を決して話しだした。
「知香ちゃんは、高校生の頃よく家で梓と遊んでたよね。」
「はい」
「その頃よく家に出入りしてたのが雪音・・・・」
その言葉に知香は思いだした。
樹とよく家にいた綺麗な女の人
その姿を見る度に知香は樹の事を軽い男だと思っていた事を・・・・
・・・じゃあ・・・彼女は樹さんの元カノ?
そう思って樹を見ると
「・・・元カノでもなんでもないよ・・・」
「え?」
自分が思っていたことを言い当てられたようで知香は驚いて顔を上げた。
それに元カノじゃなかった事にホッとしている自分がいた。
「さっき、海で話した・・・好きな子・・・彼女にさ・・
女の人といるのを見せつければ
嫉妬心が湧いてくる。そうしたら自分の事を意識してくれる
そう考えて、知り合いの女友達・・・雪音を家に入れてたんだ・・・実際は
雪音と俺のマンガの趣味が一緒だったから貸し借りしてただけだったんだけどね
アピール方法を完全間違ったんだよ。ばかでしょ?・・・笑ってくれていいよ」
樹は手に持っていた水を一気飲みした。
知香は高校生の時の樹を思い出し、ドキッとした。
まさか・・・そんな訳ないよね。
知香もあの頃似たような場面を何度もみてたからだ。
今の話を整理してみると、好きな女の子は樹さんの家で、樹さんが女の人
雪音さんを何度も見ている。・・・って事は?
その女の子は梓か樹の友達かもしれないってことだよね。
って事は・・・その好きな子って梓は知っているんだよね。
梓の友達で、よく家に出入りした人物と言えば
・・・・・・・まさか・・・・私?
いやいや・・・それはないでしょ?
ないけど…万が一だよ…それが私だったら・・・・
もう・・知香の心臓は飛びだしそうなくらいドキドキしていた。
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