3日限りのルームシェア
あまりの突然な行為に驚き目を見開いていた知香だったが樹のキスに
自然と瞼を閉じた。
下に降りていた手もいつしか樹の着ていた
服を掴んでいた。
何度も角度を変え互いの唇が触れ合う。
「かき乱してるのは・・知香ちゃんの方だよ」
チュッとリップ音を出しながら知香の頬、目や鼻に樹のキスが降る。
「い・・つき・・さん・・・」
「本当はずっとこうしたかった。君を怒らせてしまっても頭の中は
智香ちゃんに触れたい…抱きしめたいって思っていた。だからずっと
その衝動を抑えていた。ここを出て行ってほしいと言われたのはショックだった。
だけど・・・その方が智香ちゃんを傷つけずに済むならいいって・・・
そう思っていたんだけど・・・もう無理」

「無理って・・・私の話は?」
樹は潤んだ目をした知香の頬に手を当てた
「話をしなくたって…智香ちゃんの顔を見ればわかる」
「はぁ?何言ってるの?私は・・・」
「私は?」
再び樹の顔が近付く。
何なの?この色っぽい目の何処がヘタレなのと言いたくなるくらい
樹は今まで見たことのない色っぽい顔で知香を見つめた。
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