3日限りのルームシェア
「私は・・・悔しい。嘘つかれて悔しいのにそれ以上に・・・樹さんがいなくなって会えなくなってしまうのが嫌で・・・・だってそうでしょ好きだって気づいちゃったんだもん」

智香は自分の方から樹に抱きついた。「知香ちゃん・・・」
知香はキッと樹を睨みつける。
「もう・・・私に言うことはないんですか?他に隠し事はないですか?」
樹は知香の頬に手を当てると
「もう隠し事なんかないよ。・・知香ちゃんに言うことは・・愛してる以外なにもないよ」
樹の顔が近付くと知香は目を閉じ
樹からのキスを受け入れた。
2回目のキスは相手をいたわる様な優しいものだった。
樹の唇だけで知香への思いが伝わる・・・そんなキスだった。
薄暗い部屋の中で聞こえるのはリップ音と時々漏れる
甘い息使いだけ。
だが徐々にその息づかいが荒くなる。
お互いの舌が絡み合い、鼻で呼吸をするのを忘れてしまいそうだった。
「好きだ・・・」
キスの合間に交わされる甘い言葉に
とろけそうになるなんてマンガや小説だけのことだと思っていたのに・・・

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