3日限りのルームシェア

大好き

「知香ちゃんが・・・欲しい」
ストレートな言い方だが、ここまで自分の事を思ってくれる樹に
知香もそれにこたえたいと思った。
知香は俯き加減でうなづいた。
すると樹は部屋のドアを思いっきり開けた。
「樹さん?・・・・」
戸惑う知香の腕をつかむと
「リビングと知香ちゃんの部屋どっちがいいの?」
あからさまないい方にフッと知香の笑いが漏れる。
だが樹は何で知香が笑ったのかよくわかっておらず
首をかしげる。
「さっきまでとってもいいムードだったのに…こういうときは
黙って自分の好きなとこに行けばいいと思いますよ。」
知香の言葉に樹は、ハ~ッと深く溜息をつく。
「俺ってつくづく残念な男だね・・・」
肩を落とす樹に知香は樹の手を握ると
黙って自分の部屋のドアを開け、照明は消したまま中に招き入れた。
「私の勇気はここで精一杯です・・・後は樹さんにお任せします」
暗くて顔が良く見えないけれど
樹はそれでもいいと思った。
樹は後ろ手でドアを閉めると
両手で知香の顔を包み込み
そっと唇を合わせた。
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