3日限りのルームシェア
今まで濃厚なキスは幾度か経験しているがそんなのは、はっきり言って
比ではない。
全身の力が抜けて行く様な初めての経験に知香は驚き、樹の服を
握りしめながら必死に立っていると言っていほどだった。
・・・ダメ・・呼吸が・・・もたない・・・
すっかり鼻呼吸を忘れてしまった知香は樹のシャツを強くひっぱった。
するとすーっと知香の唇から樹が離れた。
知香は壁にもたれた。
「ちょ・・・ちょっと今のはずるいです」
言ってる意味がわからないのか樹はきょとんとしている。
「ずるい?」
「だーかーらー、こんなキスどこで覚えたんですか?外国にいると
やっぱり…上手になるの?もしそうなら・・・ちょっとくやしい」
目をとろんとさせながら言う知香の台詞に樹のスイッチが完全に
オンになってしまった。

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