あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。






 しばらくして……。


 めくられていた本は、あるページで止まり、王子の瞳も光を放たなくなる。


 しかしずっと強い風に煽られていたせいで、前髪が真上を向いたまま、固まってしまった。


 王子も同じように風が当たっていたのに、サラサラな髪はそのままだ。


 ……理不尽さを感じる。


 でも、王子が前髪を上げたまま、ボサボサなんて、理想が壊れる……。


 これはこれで、よかったんだ、と自分に言い聞かせ、自分の前髪を手ぐしで整えた。




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