あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。



***

 ……温かい。


 何かに、全身を包み込まれているよう。


 とても安心して、胸がほっこりして、あたしはそれにすがりつくようにして、そこに顔を埋めた。


明るい……。


もう朝……?


 
「ん……」



 うっすらと目を開ける。


 ぼんやりにじむ視界で、ゆっくりと何度かまばたきをした。


 目の前には……青い目と、サラサラの長いミルクティー色の髪。


 そして、この世のものとは思えないほど美しい顔。



「──カカオ?」

「あ、起きたのか」


 
 あたしは柔らかいベッドに寝ていて、隣にカカオが寝ていた。


 まだ頭がボヤボヤする。


 カカオは、珍しく柔らかい笑みを浮かべ、あたしの天パの髪を、その長い指で撫でる。



「身体は、もう大丈夫なのか?」



 カカオが優しいとか、ウソみたい……。


 いっつも、無表情で、気に入らないことがあると、すぐ不機嫌になっちゃうのに……。


 あぁ、そっか。


 これ、夢なんだね。


 それなら……。



「ん……」

「……おい、まお?」



 あたしは、カカオのそのたくましい胸にすりよった。


 あったかい……。


 淡いシトラスの香りの奥に、汗の匂いがする。


 呼吸をすると、肺がその香りに満たされた。


 胸がどうしようもなく、切なくなる。





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