ハコイリムスメ。
また突っ込んでくる。
芸がないなぁ~、ったく。
「だから遅いってんだよ」
仕方ないから今度は右足でハイキックを1つ。
顎に当たって、ガッと鈍い音がした。
いつの間にか出来ていたギャラリーから歓声がわく。
「いいぞー谷神!」
「最高っす谷神さん!」
なんで俺の名前を?
「や…谷神………!?」
子分たちは俺の名前を聞くと、一斉に後ずさった。
リーダー格にも、怯えの色が浮かぶ。
「い、行くぞ!」
バタバタと逃げていった。
ギャラリーから大歓声。
「あーどーもどーも」
手を振って答える。
さー、帰ってオムライスオムライスっと。
「店長ぉ―――、終わったあ――」
「あの!」
後ろから急に声がかかった。
「へ?」
振り向くと、さっきの彼女がこっちを見ていた。
「なんすか?」
「あ、あの…ありがとうございました!」
………や、べつにアンタを助けたつもりは無いんだけど。
「なにかお礼させてください!」
「や、ホントいいんで」
「せめて名前教えてください!」
「……ホント急いでるんで」
「あたしっ!ハナダレイコって言います!」
「はぁ、そうですか…店長ぉ―――、帰るからな俺ぇ」
あーもー、二度と引き受けない!!
めんどくさくなるだけだ!
……っていうかバカ、俺。
タバコの煙の中を抜けて、通りに出た。
すっかり暗くなっていた。
葵もサトも、きっと腹空かしてる。早く帰らなきゃな。
「あっ………!待って……!」
なおもしつこいハナダレイコは、しばらく俺についてきた。
芸がないなぁ~、ったく。
「だから遅いってんだよ」
仕方ないから今度は右足でハイキックを1つ。
顎に当たって、ガッと鈍い音がした。
いつの間にか出来ていたギャラリーから歓声がわく。
「いいぞー谷神!」
「最高っす谷神さん!」
なんで俺の名前を?
「や…谷神………!?」
子分たちは俺の名前を聞くと、一斉に後ずさった。
リーダー格にも、怯えの色が浮かぶ。
「い、行くぞ!」
バタバタと逃げていった。
ギャラリーから大歓声。
「あーどーもどーも」
手を振って答える。
さー、帰ってオムライスオムライスっと。
「店長ぉ―――、終わったあ――」
「あの!」
後ろから急に声がかかった。
「へ?」
振り向くと、さっきの彼女がこっちを見ていた。
「なんすか?」
「あ、あの…ありがとうございました!」
………や、べつにアンタを助けたつもりは無いんだけど。
「なにかお礼させてください!」
「や、ホントいいんで」
「せめて名前教えてください!」
「……ホント急いでるんで」
「あたしっ!ハナダレイコって言います!」
「はぁ、そうですか…店長ぉ―――、帰るからな俺ぇ」
あーもー、二度と引き受けない!!
めんどくさくなるだけだ!
……っていうかバカ、俺。
タバコの煙の中を抜けて、通りに出た。
すっかり暗くなっていた。
葵もサトも、きっと腹空かしてる。早く帰らなきゃな。
「あっ………!待って……!」
なおもしつこいハナダレイコは、しばらく俺についてきた。