スプリング×ラブ!
乗ってからずっと挙動不審な春を見ていた谷原は、我慢できずに吹き出した。

「あははっ!そんなに気になんの?」
「え、や………あのっ」
「やっぱラブってそーゆーもんなんかなぁ。俺にはわかんねぇけど」
「う………」

春は顔を真っ赤にして俯いた。
谷原は告らないの?とその頭に向かって問いかけた。

「だって!……だって…」


チラッと目に入ったゴンドラの中で、透夜が笑っていた。



「亜依ちゃん応援してたし……今さら……」
「今さらとか無いっしょ」
「………んんん……私の気が済まないから」


だって、ズルいでしょ。
わけわかんないって、亜依ちゃん怒るかも。
傷つけるかも。


ぶつぶつ呟く春をみて、谷原は苦笑した。

(「透夜は山口が好きなのになぁ」)



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