Curse of disease

春の陽射しは柔らかく、花や緑は風に揺れて。
それは、まるで僕らだけの道を作ってくれているみたいだった。
ふわふわと舞う蝶々に、木の枝に留まっている鳥たちも、朝から元気に飛び回っていた。

そんな、風景に僕はいつも心が豊かになってしまうのだが、ベルは花粉症のせいで早く学校に生きたがる。
屋内の方が、まだ花粉は飛んでないかららしい。

「ベル、もう少しゆっくり歩いてよ。」

「嫌よ、花粉が辛いんだから」

「でも、外はこんなに良い天気なんだよ？
お花だって、沢山咲いてるし。」

「もー、そのお花が花粉を持ってるって何回あたし言った？」

「えっと、一回も。」

もう！とベルは怒って走って行ってしまった。
ベルは、まだ子供っぽいんだから。

僕も、ベルのあとをスタスタと着いて行く。
学校までは、まだ少し遠い。

僕は歩きながらぼんやりとシハラの街の景色を眺めていた。