血の記憶
翔真は彼女だった、と言った。
嫌な予感がする中翔真が口を開く。
「死んだんだ。――俺の目の前で殺された」
体が震えた。
翔真、ではなく私の。
手を握り必死で抑えた。
それでも一向に止まる気配はない。
そんな私のあまりにも異常な様子に気づいたのだろう。
翔真の顔が驚きで染まっていく。
「奈央……!大丈夫、具合悪いの!?」
「大丈夫、大丈夫だから」
翔真に言っているようで自分自身に言い聞かせた。
自分の体を抱き震えを抑える私を心配そうに見守っている。