血の記憶





支度を終えアパートの部屋からでた私を出迎えたのは眩しい朝日。


あまりに眩しくて思わず目を細めた。


その細い視界から眺める景色は昨日とは少し違って見えた。


あ、分かった違和感の正体


私昨日の夜夢、見てないんだ。


歩きながらも頭の隅にあった疑問が消えてなにかスッキリした気分だ。


昨日は家に帰ってすぐ寝てその後の記憶が起きるその時まで全くない。


ってことは私熟睡してたの?


その事実に驚いて思わず立ち止まった。


そういえば今日はいつもよりも身体が軽く感じられる。


確かめるようにぐるぐると腕を回してみる。


すごい軽い…、私にとっての翔真って



「精神安定剤ね……」


「精神安定剤って?」



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