血の記憶
そこには職員室の前で笑いあっている私と高橋くんの姿。
「これって高橋くんだっけ?随分と仲良いんだね」
「ちっ、違っ……!」
喉から漏れるようにしてでた声に眉をしかめた。
「そ、それは先生が私に頼んだことを手伝ってくれただけでっ」
「だからってこんなに仲良さげに話す必要はないよね?」
おかしい、なにかがおかしい。
やっと私が彼の異常性に気づいたときにはもう遅かった。
蜘蛛の巣に捕らわれたものは抜け出すことはできない
足掻いて足掻いて弱り果て、それでも足掻き続けて
死に逝くのを待つだけ。