君が嫌いで…好きでした


*奏叶*


奏叶「千菜!待って!」



千菜は涙を流しながら教室を飛び出していった


俺はすぐに千菜を追いかけようとした
だけどそれを湊と周りに居た奴等が止めた



湊「かなっ、なんで追いかけるんだよ!
あんな奴ほっとけよ!
あいつのせいでそんな大ケガしたんだろ!?
あいつはかなを殺そうとした奴だぞ!!」



「そうだよ奏叶!」


「やっぱり噂は本当だったんだ…っ
奏叶!もう関わらない方がいいって!」


そこに居た奴等は口々に千菜の事を悪く言って…俺は頭に血がのぼった



奏叶「お前等が千菜の何を知ってるんだよ!
下らない噂に惑わされて…お前等が偉そうに言えることかよ!

噂を誰よりも怖がってずっと苦しんできたのが千菜だぞ!

千菜の気持ちをなにも知らねぇ癖にでしゃっばってんじゃねぇよ!!」


俺はそれだけを言い残してすぐに千菜の後を追いかけた

千菜…泣いてた…


俺のせいだ
昨日こんな怪我しなきゃ…っ


千菜…!!





―――苦しい…っ…


さっきの七瀬奏叶の姿が…
そしてあの時の映像が走馬灯のように思い出される


どうして皆居なくなっちゃうの…!?
それにこのままじゃ七瀬奏叶まで…っ


今回は大丈夫でも私と関わっていれば次は本当に死んでしまうかもしれない…っ

これ以上七瀬奏叶とは関わっちゃいけない…!!


伊藤「おー東。どうした?走ったりして…」


伊藤先生の言葉も無視して私は走り続けた




*伊藤先生*



伊藤「おい…東!?」


なんだあいつ…聞こえてたはずなのに…


それに泣いてた…?
もしかして何かあったのか!?


兎に角東を追いかけないと…



奏叶「伊藤…!千菜見なかった!?」



こいつあの時東の事探しにきた…
てゆうか仮にも教師に向かって呼び捨てか
相変わらず生意気…


右腕…見たところ骨折か
東が泣いてたのはこいつが原因か


だとしたらまずいな…


伊藤「東は俺が追いかける
お前が原因なんだろ
だったらお前が追いかけるのはまずい」


東が泣いたのはあの時以来なんだ
あの時以来どんな事があっても泣かなかった東が…

きっと今…すごく苦しんでるはずだ



奏叶「うるせぇっお前に任せてたまるか!
千菜は俺が助ける!」


そう言ってすぐに走っていった


真っ直ぐに俺を睨むか
本当に生意気な奴だな…

今回はあいつに賭けてみるか
この賭けが吉と出るか凶と出るか…

東………負けるなよ…
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