君が嫌いで…好きでした
次の日の朝―――…




千菜「行ってくるねチョコ」





バタン…





奏叶「千菜、おはよう」




家を出るといつものように笑顔で奏叶が迎えてくれた





千菜「…おはよ……」





奏叶「じゃ、行こっか」





差し出された手に自分の手を重ねた






千菜「…奏叶…付き合わせてごめんね」




奏叶「いいよ
俺が勝手についてきたんだし

それに千菜が行くなら俺も行くよ」





奏叶と一緒に向かったのは学校




学校に入ると土曜日なのに沢山の生徒が居た







奏叶「休日まで部活かぁ皆頑張るな~」





そして学校に入って向かった場所




奏叶「保健室…」






昨日…お葬式で…先生とお別れしたけど…



もう1度…この場所で…先生にさよならしようって決めた




保健室のドアに手をかける


いつもは簡単に開けてた保健室のドア


だけど今は開けようとするとなぜか…体が震えてしまった…



奏叶「千菜…大丈夫?」




私は勇気を出してドアを開けた






ガラッ…




――『お、東。どうした?』




いつも…ドアを開ければ笑って声をかけてくれた伊藤先生…




だけど今は…誰もいない…空っぽの保健室




保健室に入って辺りを見回してみる






……私にとって…保健室は特別な場所だった
だけどそれは…先生が居たから…




ここには先生との思い出が沢山詰まってる…


だけど…先生はもう…居ない…
そう考えるとただ…悲しかった





奏叶「千菜、こっち」




奏叶に呼ばれて先生がいつも仕事をしていた机のところに足を運んだ





千菜「なに…?」





奏叶「これ…」




奏叶が見ている方に視線を移す





そこには机の上にお守りとメモが上がっていた
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