君が嫌いで…好きでした

千菜「…ありがとう……」



奏叶「どういたしまして
まさか本当に風邪引くなんて千菜ドジなんだね」


………言い返せない…
言い返す元気もないけど…



奏叶「さてと…今具合は?寒くない?」



千菜「…少し……」



奏叶「…千菜もしかして今日ずっとその格好?
汗かいたんだね
まずは着替えなよ。その間俺は出てるから
着替えたら体温測りな?」



とりあえず奏叶に言われた通りだるい体を動かして着替えそしてベットに戻り体温を測った



ピピピピ



奏叶「どう?」



私は体温計を奏叶に渡した



奏叶「38度8分か…結構あるね
冷えピタ買ってきたから冷えピタ貼ろっか
あと市販のだけど風邪薬も買ってきたからご飯食べたら飲むよ

てか千菜、熱があるならなんでタオルで冷やすくらいしないの」



千菜「…めんどくさかった…から」



奏叶「…お見舞いに来て良かった
本当千菜は自分の事に対してはいい加減だよね」



……幻滅……したのかな……



奏叶「ま、だから俺が居るんだけど」



奏叶は私を見てニッと笑った



奏叶「さてと!おかゆでも作ろうか!
千菜はゆっくり休んでな?」



うでまくりをしてキッチンに向かう奏叶


奏叶が持ってきた袋の中には冷えピタや風邪薬、ゼリーやフルーツなど盛りだくさん…


……心配してくれたんだ…

今…奏叶が側にいる
それがどこか安心出来た
いつも1人きりだった家に奏叶が居るって変な感じ…


鼻唄を歌いながら何だか楽しそうにお粥を作ってる


今更…こんな事思うの変だけど…
あの人が…私の彼氏…

さっきもだけど力とか無さそうなのに軽々と運んでくれて…
やっぱり男の子なんだ…

思い出すと…恥ずかしい…



奏叶「千菜起きれる?お粥出来たよ」


ゆっくりベットから起き上がる
お粥の美味しそうな匂いがする…


奏叶「栄養満点特製お粥♪食欲ある?」



千菜「…少しなら…」



奏叶が居なきゃ食べてなかったけど…


奏叶「そっか。少しでも食べないとね
では、はい」



奏叶は一口分取ると私に近づけた



千菜「何……?」



奏叶「何って…食べさせてあげる
ほら口開けて」



………まさか…これがやりたかったのかな
にこにこして本当楽しそう…
でも…私がやると思ってるのかな



千菜「…自分で食べれる」



何だか恥ずかしかったから私は奏叶から顔を背けた
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