君が嫌いで…好きでした
ようやく千菜を見つけたと思ったら千菜は俺と湊が千菜の事で喧嘩していることを知っていた
千菜「…最後に3人で一緒に帰ったあの日。
家に送ってもらった後何だか少し不安で…2人の後を追いかけたの
そしたら大きな湊の声が聞こえて咄嗟に隠れたの
話を聞いてたら奏叶は湊の事を思って私を差し出そうとしてて…湊はそれに怒ってる事が分かった…
2人が喧嘩した原因が私だと分かってこのままじゃ駄目だって…なんとか仲直りさせたいと思ったの」
湊「って事はお前…俺の気持ちはあの時から知ってたのか!?」
千菜「うん。
…急に話は変わるんだけど私ねここに来る前に真琴の事故現場に行ってきたの」
奏叶「真琴って…亡くなった彼氏?」
千菜「うん。今まで怖くて…辛くてずっと避け続けてきたけど…今日行ってみたら思った以上に平気だったの」
奏叶「どうゆうこと?」
千菜「私は1人で事故現場に行ったけど心の中では2人の事を思い出しながら行ったらそんなに怖く感じなかった
1人でもそこの道を通ることが出来たの
この意味…2人なら分かるでしょ」
湊「それって…俺達のお陰だって?」
千菜「うん…湊と奏叶がいなかったら私はずっと前に進むことが出来なかったと思うの
でも1人でも行けたってことは私の中で2人はそれだけ大きく大切な存在だったからだよ
私にとって2人はとても大切な人…
その人達が私の事で喧嘩してしまうなんて私は嫌だった
どうしてもなんとかしてあげたかった
だから私は奏叶と別れる決意をした
そして今日…相手の事を本当に大切にする2人だから…私が学校に行かなかったら2人は心配して探しに来てくれると思ったの
少しでも…仲直りするきっかけを作りたかったの…
でも…町中走り回るくらい心配かけてごめんなさい…」
奏叶「………………」
湊「……………」
あの時の湊との会話を千菜が聞いてたなんて…
千菜が俺達を仲直りさせるために色々考えて…1人で無理させて…
千菜「さっきも…言ったけど2人はこんな私と一緒に居てくれる。それが何より嬉しくて奏叶と湊が笑ってる時が凄く好きだった
だから私は…」
奏叶「もういいよ。千菜の気持ちは凄く…伝わったから。千菜にこんな事させてごめんね
それから湊。こんな事これ以上続けたら千菜の思いが無駄になる。
…お前が千菜の事好きって知った時凄く動揺した。でも俺にとって湊も凄く大切な奴だから幸せになってほしいと思ったんだ。
でも…結局俺の独りよがりだった
お前が怒って当然だと思う。悪かった」
湊「…俺も悪かった。かなの気持ちも分からなくはねぇからな」
奏叶「じゃぁこれで仲直りな」
湊「おう」
俺達は笑い合って拳を合わせた
千菜「湊。湊の気持ち知ってたのに知らないフリしてごめんね。でも湊の気持ちは凄く嬉しかった」
湊「それって俺じゃダメってこと?」
千菜「…湊の事は好き。でもそれは友達として…」
湊「…後悔するかもよ」
千菜「…そうかもね。でもこれが今の私の気持ちだから。ありがとう湊」
千菜が笑うと湊も笑った
少し寂しそうな顔をしていたけど何処かすっきりした笑顔だった