君が嫌いで…好きでした
奏叶は湊と一緒に戻ってきてくれたけど私と目を合わせようとしなかった
それが拒絶されてるみたいで怖くて悲しかったけど…優しい奏叶をそんな風にさせてしまったのは私自身…
奏叶はいつも私の気持ちを察して動いてくれてた
だから奏叶なら分かってくれるだろうと奏叶に甘えて何も言わなかった
それが私の大きな間違いだったのかもしれない…
千菜「…奏叶……」
奏叶は顔をそらしたまま何も言わない
私はそれだけの間違いをしてしまったのだと遅れて痛感する
千菜「…奏叶…ごめんなさい…楓の事言わなくて…」
奏叶「…なんで黙ってたの」
奏叶のいつもより少し低い声に心がギュッとなる
千菜「…隠そうと思った訳じゃないの。言おうと思ったけど…でも今日の事奏叶すごく楽しみにしてるみたいだったから…言って…台無しにしたくなかった…」
奏叶「…墓参りはどうするつもりだった?」
千菜「…また明日…改めて来ようかと…」
奏叶「…はぁ…」
溜め息…幻滅…されちゃったのかな…
千菜「…私凜ちゃんが言ってた通りこの日は必ず楓のお墓参りに来てた
でもそれは私が1人ぼっちだったから…
今年は奏叶が一緒だった。楓の事も凄く大事…でもそれ以上に私は奏叶が大事だったの」
自分の気持ちを伝えようとすると自然と涙が溢れてきた
でもちゃんと伝えなきゃいけないから…
奏叶に私の気持ちを…私の言葉で…
千菜「…私…奏叶が好き…自分でもビックリするくらい好き…
私だって今日の事楽しみだったし楽しかった…でもそれは奏叶が居てくれたから…!
……楓の事を黙ってたのは本当に悪かったと思ってる…嫌われて当然だと思う…だから…奏叶が別れようって言うなら私はそれを受け入れ…」
私は気がつけば奏叶の腕の中に居た
そして力強く抱き締めてくれた
奏叶「…千菜の気持ちは分かったし、俺も少し大人げなかった。でもやっぱりそうゆう大事な事黙ってられるのは嫌だ。俺達付き合ってるんでしょ?千菜はいつも1人で抱え込みすぎなんだよ。もっと俺の事頼って」
千菜「…奏叶……」
奏叶「あとそう簡単に別れるとか言うなよ。俺はそんな事思ってないし…」
千菜「…ぅん」
奏叶「…俺達はさもっと言葉にしないと駄目だね。それで喧嘩になっても2人でぶつかり合って乗り越えていこう?ね、千菜」
覗き込んできた奏叶の顔はいつものように優しく笑っていた
千菜「…ありがとう…奏叶」
湊「無事仲直りか。良かったな2人共」
奏叶「湊ありがとな。てゆーかこれ喧嘩なのかな?」
湊「さぁ?でも一歩前進じゃね?」
千菜「湊…約束破ってごめん…でもチャンスがあるなら私頑張るから…」
湊「…お前にしちゃ上出来じゃん?
てかいつまで抱き合ってるつもり?ここ一応公共の場だから」
湊に言われハッと我に返って慌てて離れた
夢中になっててそんな事すっかり忘れてた
恥ずかしくて顔が熱い…
湊「2人して顔真っ赤かよ。勢いって怖いわ~」
奏叶「……//うるせぇよ。てか知ってなら早く言えよ」
湊「いや、面白そうだから黙ってた」
奏叶「~…っいい性格してるよなお前」
湊「誉め言葉として受け取っておく♪」
奏叶「…千菜、行こうか」
熱くなった顔を必死で冷ましてると奏叶がまだ少し赤い顔で手を差し出してきた
千菜「…行くってどこに…」
湊「決まってんだろ」
奏叶「楓さんの墓参り!行くよ!」
そう笑って奏叶は私の手を引いて歩き出した
千菜「奏叶……」
奏叶「ん?」
千菜「お墓…反対方向…」
奏叶「え!?」
湊「ははは!かっこつかねぇなかな!」
奏叶「笑うなよ!」
方向を変えてまた歩き出す私達
あぁ…今年はなんて綺麗で輝いてる景色だろう…
奏叶…ありがとう
そう心の中で呟いた