小さなキミと
「あたし、服部より14㎝もデカいけど……いいの?」
涙が落ち着いてきた頃、あたしは一番の懸念をぶつけた。
すると、カチコチだった服部の顔が一気に緩んだ。
「なんだ、そんなことかよー」
服部は腰掛けていた誰かの机から飛び降り、あたしの手を取って適当なイスに座らせた。
「こうしたらオレのがデケェじゃん。
つーか身長とか、今さらどーでもいいっつの」
呆れてそう言ったかと思えば、今度はムッとして言葉を足した。
「なに、お前はチビは嫌なの?」
「そんなワケないっ」
あたしが反射で答えると、服部はニッと笑った。
「言ったな?
……まぁ大丈夫か。お前バカだから、あーゆう器用な小細工できなそうだもんな」
言いながら、服部はどこか遠くを見る目になっていた。
あーゆう器用な小細工、っていうのはきっと、中学時代のあの子のことを指しているんだろう。
だけどバカって。もうちょっと言い方があるでしょうに、と心の中でぶつくさぼやく。
いわゆる照れ隠しというやつだ。
すると服部が、ふと真顔に戻ってジッとあたしを見つめてきた。
ドギマギする暇もなく、あたしの肩に手が乗った。
それはもちろん服部の手。
「……オレの彼女になっていいなら、目閉じて」
────これ以上に無い殺し文句だった。
服部が絶対言わなそうな言葉ランキングがあったら、間違いなくナンバーワンでしょコレ。
というくだらない感想が沸騰寸前の頭を走ったが、それを本人に言うほどバカではない。
目線の先の服部は、今までで一番真剣な表情で、でもやはり童顔で子どもっぽい顔立ちだった。
だれどあたしにとっては、服部はいつだって誰よりも“男”だった。
見上げる体勢になっているのが、余計にそれを自覚させた。
涙が落ち着いてきた頃、あたしは一番の懸念をぶつけた。
すると、カチコチだった服部の顔が一気に緩んだ。
「なんだ、そんなことかよー」
服部は腰掛けていた誰かの机から飛び降り、あたしの手を取って適当なイスに座らせた。
「こうしたらオレのがデケェじゃん。
つーか身長とか、今さらどーでもいいっつの」
呆れてそう言ったかと思えば、今度はムッとして言葉を足した。
「なに、お前はチビは嫌なの?」
「そんなワケないっ」
あたしが反射で答えると、服部はニッと笑った。
「言ったな?
……まぁ大丈夫か。お前バカだから、あーゆう器用な小細工できなそうだもんな」
言いながら、服部はどこか遠くを見る目になっていた。
あーゆう器用な小細工、っていうのはきっと、中学時代のあの子のことを指しているんだろう。
だけどバカって。もうちょっと言い方があるでしょうに、と心の中でぶつくさぼやく。
いわゆる照れ隠しというやつだ。
すると服部が、ふと真顔に戻ってジッとあたしを見つめてきた。
ドギマギする暇もなく、あたしの肩に手が乗った。
それはもちろん服部の手。
「……オレの彼女になっていいなら、目閉じて」
────これ以上に無い殺し文句だった。
服部が絶対言わなそうな言葉ランキングがあったら、間違いなくナンバーワンでしょコレ。
というくだらない感想が沸騰寸前の頭を走ったが、それを本人に言うほどバカではない。
目線の先の服部は、今までで一番真剣な表情で、でもやはり童顔で子どもっぽい顔立ちだった。
だれどあたしにとっては、服部はいつだって誰よりも“男”だった。
見上げる体勢になっているのが、余計にそれを自覚させた。