きっと、明日も君がすき。


まさか結真くんからそんなことを言われるなんて思ってなかった私は目を瞬く。


褒めて…くれてるんだよね?


冷たくされたことが多すぎるためか、驚きを隠すことはできない。


冷たいけれど、さりげなく優しくて。だから、もっと好きになる。


心の中で、ずるいと思う。本人は分かっててやってるのか、素なのか。


きっと、そういうところが彼を好きだとみんなが言う魅力の一つなんだろうと思う。


しばらく絵を眺めている結真くんを眺めていた。

そのあとは、お互い向かいあって黙って勉強した。


けど…やっとこれから試験勉強だと言う私。


1週間後には試験が始まるけれど、来週は毎日次の日の教科の範囲を頭に叩き込む言わば一夜漬けの作業が待っている。


それまでに一通りは終わらせて置きたいのだけれど…。





「ちょっと待って、何してんの?」

静かな中に、響いた声。


シャーペンを握ったまま、心の中でどうしようかと唸っていれば。

いきなり声を発されたのでぴく、と体が微かに跳ねた。


教科書、ワーク、そしてノートから顔をあげれば、かけられた言葉通り、何をしているのかという表情でこちらを見ていて。


「え…?」


< 125 / 156 >

この作品をシェア

pagetop